E Dの回答に対して送付したお礼と提案(04年1月21日)
from:O−DOG
date:2004年1月21日 20:27
to:神奈川県自然環境保全センター
subject:丹沢の犬同伴制限調査への御礼と再度のお願い
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部 自然公園課御中
日本アウトドア犬協会(O−DOG)と申します。
山岳地域の犬同伴制限の調査にご協力いただきましてありがとうございます。
丹沢において登山者が連れた犬の疥癬がタヌキに感染するという、犬連れ同伴自粛に 関する貴センターのお説に対し、当会の見解を送付させていただきましたが、昨年12
月22日付でご回答をいただきありがとうございました。
当会の見解にご理解をいただき、感謝いたします。
いただいたご回答は当会の公式サイトにて公開させていただきました。下記URLに てご確認いただければ幸いです。
長文になるため、前回は登山者が連れている犬が野生動物に疥癬を感染させる可能性 についてのみ触れ、このための登山者向け注意喚起情報についてご提案させていただ
きました。
しかし今回のご回答では、この点に理解をいただきながら、「疥癬以外の病気も含め た伝染病がペットから野生動物にうつる(あるいはその逆)可能性や、犬の存在がス
トレスとなり動物の繁殖に影響するなどの可能性が、指摘されている」との理由で、 やはり犬連れでの登山自粛(現在の看板の文言)は変更されないようですので、この
点について当会の見解を再度述べさせていただきます。
ここでは「ペット」という抽象的な対象ではなく、登山者がつれている犬に限定して 述べさせていただきます。
現実に、犬以外の動物を同伴して山岳地域に入る例はまず考えられず、「登山者の連 れている飼い犬」に対象を絞った方が論点が明確になります。
1、まず、伝染病が「登山者が連れた犬」から野生動物にうつる可能性について、貴 センターでは具体的にどのようなイメージをもたれているのでしょうか。
この点ついて具体的なイメージをご教示いただければ大変ありがたく思います。
2、「ペット」から野生動物への病気の感染は理論的にはありえますが、「登山者が 連れた犬」に限って言えば、以下に述べますように、野生動物になんらかの伝染病を
感染させ、生態系に回復不能なダメージを与える可能性は限りなくゼロに近いと思われます。
忌憚のない意見を言わせていただきますと、このような危惧は飼い犬に関する誤解に基づくものと考えざるをえません。
3、現在判明している代表的な犬の伝染病については以下のようなものがあります。
●狂犬病(感染する動物:ヒト・イヌ・ネコ・サル・ウマ・ウシ・ヤギ・ヒツジ・キツネ・オオカミ・ウサギ・吸血コウモリなど全ての動物)
●犬ジステンパー感染症(感染する動物:イヌ科・イタチ科の全動物)
●犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型/2型)(感染する動物;イヌ・キツネ・ミンク ・コヨーテ・オオカミ・アライグマ)
●レプトスピラ病(感染する動物:イヌ・ヒト)
●犬パラインフルエンザウイルス感染症(感染する動物:イヌ)
●犬パルボウイルス感染症(感染する動物:イヌ)
●犬コロナウイルス感染症(感染する動物:イヌ)
●犬回虫症(感染する動物:イヌ・キツネ・ネコ・アライグマ・ブタ・ニワトリ・ヒト)
上記については以下の情報をご参照ください。
◆犬の伝染病
http://sirius1979.hp.infoseek.co.jp/cvacc.html
◆伝染病について
http://www2.memenet.or.jp/~terada/densen.htm
◆犬・猫回虫卵とは?
http://www.saraya.com/shop/kensa/kaichu.html
4、これらについては、人獣共通感染症(ズーノーシス)もあるため、飼主は自らの感染予防にも敏感にならざるをえず、登山者が同伴する犬のほとんどが屋内飼育されていることもあり、以下のような定期的予防措置を講じています。
●狂犬病:ご承知のように極めて危険な犬の伝染病でありますが、法律によって年に 1度の予防接種が義務付けられており、登録犬が予防注射の接種を行なわないことはまず考えられません。現在、日本には狂犬病はほぼなくなったという専門家もおります。
●犬回虫症:人間に感染する危険な病気であり、幼児や高齢者への感染に特に注意を要する病気です。野生動物以前に、人間への感染を防ぐため、飼主がきわめて敏感になる病気のひとつです。
犬回虫症は子犬に多くみられる病気であり、成犬ではあまり寄生がみられないのは、 免疫ができているためと言われています。
骨格・筋肉がまだしっかり出来上がっていないこのような幼犬を登山に同行する例はあまり考えられません。
また多数の回虫が消化管内にいれば、下痢、嘔吐、体重増加遅延など明確な症状が現われ、登山に同行する屋内犬の場合、すぐに受診させます。このような状態の犬を登
山に同行することはまず考えられません。
実際に、定期的な検便、感染している場合は駆虫剤の投与、毎日のブラッシングや散歩後の足拭き、糞の始末、定期的なシャンプー(寄生虫対策)などを行なっている登山への同伴犬の場合、まず自然環境になんらかの影響を与える可能性はほとんど考えられません。
●その他の伝染病:上記以外の伝染病にはワクチンの投与が有効です。8種乃至は9種混合ワクチンの定期投与でこれらの伝染病の全ての予防が可能です。
実際問題、アウトドア活動でのなんらかの病気の感染から愛犬を保護するためにも、 登山者は定期的なワクチンの投与を実行しています。登山者が同伴する犬がこのような病気を自然環境に拡散させる可能性はまず考えられません。
上記については以下の情報をご参照ください。
◆ワクチンで予防できる病気!!
http://www1.odn.ne.jp/~cbt74070/dennsenn.html
5、当会がお願いしたいのは、抽象的な「ペット」あるいは「犬一般」が理論的に野生動物に伝染病を感染させるか否かではなく、現に登山者が同伴する飼い犬にこういう可能性があるかどうかをご検討いただきたいということです。
広くペット一般を対象にした場合、貴センターが危惧する「可能性の指摘」もありえますが、登山者が同伴する飼い犬に論点を絞って検討すれば、上記のように可能性は限りなくゼロになります。こうした措置をきちんと講じた登山者までもが、「可能性の指摘」を根拠に犬を同伴した登山の楽しみを全面的に否定される現象は解決の要があると考えます。
6、また、犬を連れない登山者にも、上記犬回虫症をはじめとする動物の寄生虫の感染・保持者は存在しますし、その他野生動物に有害な細菌やウィルスを保持して登山を行なう例は相当あるものと考えられます。しかしこうした可能性のみで登山自粛を要請されてはいません。
7、問題は登山者が同伴する犬がどういう状況なら野生動物に対して危険な存在になるかであり、これらを防ぎつつ、さまざまな条件の登山者が丹沢を楽しむためには、看板の文言を以下のような具体的なものに変更し、より明確に登山者に注意喚起情報を伝えることが、危険予防のためにも該当者への納得性を高めるためにも必要と思われます。
「登山者の連れた犬等のペットから野生動物への伝染病等の感染の危険性またはその逆の危険性もあります。定期的な予防注射、ワクチン投与等を行なっていないペットを連れての入山はご遠慮ください」
8、「犬の存在がストレスとなり動物の繁殖に影響するなどの可能性」についても、貴センターではどのようなイメージをお持ちか、ご教示いただけると大変ありがたく思います。
もし、犬の吠え声が野生動物へのストレスになることを懸念されているのでれば、やはり飼い犬に対する誤解に基づく懸念であると申し上げねばなりません。登山者が同伴する飼い犬はほとんどが屋内犬であり、また住宅地で飼われているため、無駄吠えをしないようきちんとしつけられているものが大半です。登山者の連れている犬は山中でほとんど声をあげることをしません。
9、一般登山者でも、歩行中の大声での談笑、大きな音でのラジオのつけっぱなし、 不要な熊除けの鈴等、野生動物のストレスの原因となる「騒音」を発しながらの登山がかなり見られますが、このようの事例で登山の自粛要請はなされていません。
もちろん、これらの問題はマナーの向上で解決すべき問題です。
10、しかし現実にこういう例が皆無というわけではないので、やはり山中におけるマナー徹底の一環として、以下の注意情報を看板に掲げればすむことと思われます。
「登山中は野生動物への影響を考慮し、歩行中の大声での談笑、大きな音でのラジオのつけっぱなし、不要な熊除けの鈴、犬の無駄吠え等は自粛してください。無駄吠えをする犬を連れての登山はご遠慮ください」
当会としては、犬連れアウトドア活動家の立場から、また山岳地域の自然保護を推進する立場から、こうした具体的な情報発信をされることをお願いするものですが、もしこのような注意喚起情報に変更されるなら、当会でも同じ趣旨での注意情報をウェブサイトやセミナー等で発信し、広く愛犬家に周知することを考えております。
以上趣旨ご賢察いただき、再度ご検討いただければ幸いです。
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犬といっしょに歩く。いっしょに遊ぶ。いっしょに、生きていく。
日本アウトドア犬協会"O-DOG"事務局長
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F Eの提案メールに対していただいた回答(04年2月13日)
from:自然環境保全センター 企画情報課
date:2004年2月13日 18:37
to:O−DOG
subject:Re:
丹沢の犬同伴制限調査への御礼と再度のお願い
日本アウトドア犬協会 御中
神奈川県自然環境保全センターです。
ご意見のメール、ありがとうございました。
いくつかのご質問・ご意見に回答させていただきます。
「登山者の犬と野生動物の間での病気の感染のイメージ」については、糞、尿、ダニ等の小動物を介しての感染、及び直接接触することによる感染を考えています。
登山者が連れて行く犬が感染症にかかっている可能性は低いという貴協会の意見については、私たちも異論はありません。
しかし私たちが懸念しているのは、野生動物が感染する恐れのある病原体が、犬の体内または体表に付着して野生動物の生息地に運ばれ、上記のような経路で野生動物に感染することで、犬が感染するかどうかの問題ではありません。予防接種は抗体を作ることを目的としたもので、病気の発症を防ぐことはできても、必ずしもその病原体を殺すものではないため、予防接種をしているから病気は伝染しない(病原体を持っていない)とは言いきれません。また、犬以外も含めてさまざまな動物が輸入されている現在、外国からどんな病気が入ってくるかもわからないのが実状ではないでしょうか。
逆に、犬が何らかの病原体を持ち帰る心配も少なくないと考えます。私たち職員でさえ、ダニやヒルを職場まで連れ帰ってしまうことはしばしばあります。草むらに潜むマダニが犬に大量に付いてしまい困った経験は、犬をつれて野外に出かける飼い主さんであれば経験されているのではないかと思います。ダニが媒介する人畜共通感染症はいくつか報告されており、代表的な例として、欧米で年間数万人の患者が発生しているライム病などがあります。
http://member.nifty.ne.jp/veve/hp/prevent/tickdis.htm
http://idsc.nih.go.jp/kansen/k02_g1/k02_11/k02_11.html
きちんと管理している犬が山で迷子になる例も、決して少なくないと思います。本年1月には、大倉尾根の登山道に同伴した犬が、何か動物を見つけたのか急に走り出し行方不明になったという問い合わせがありました。昨年12月にも、表尾根三ノ塔付近で、人なつこくしつけもできているように見える迷子犬(ダックスフント?)が、複数の登山者に目撃されたという報告が来ています。(どちらも、リードをつけていたかどうかは不明ですが。)
なお、後半部分のご質問にあった「犬の存在自体がストレスとなり動物の繁殖に影響する」例としては、「北アルプスで、ライチョウが犬をおびえて繁殖を放棄する恐れがある」という指摘があります。丹沢にはライチョウは生息しておらず単純には引用できませんが、地表近くで繁殖する鳥獣に同様の影響が及ぶ可能性を考え、回答いたしました。
私たちは、糞尿の始末やリードをつけるなどのマナーを守っていただいている限り、犬も一緒に楽しむアウトドアを否定するものではなく、自然公園のすべての場所への犬連れ自粛を求めているわけでもありません。
看板による呼びかけの対象地域と考えている丹沢山塊の主稜線部は、希少動植物が数多く生息する自然林が広範囲に分布しており、失われた生態系のバランスを取り戻すさまざまな取り組みを実施している場所です。犬から野生動物への影響は、あくまでも「及ぼす恐れ」でしかありませんが、丹沢の核心部とも言える主稜線部の自然環境を保全するためには、確証が得られてから(決定的な影響が出てから)では遅いと考え、法的な拘束力のないペット同伴自粛のお願い看板を設置したもので、趣旨をご理解いただき、犬も一緒にアウトドアを楽しむ方々にもお知らせ願いたいというのが、私たちの希望です。
貴協会が実施している全国の「犬連れ禁止看板」の調査を拝見する限り、一部の例を除き、禁止ではなく自粛をお願いする趣旨で建てられた看板がほとんどのようですね。しかし、その理由に挙げられている内容は看板を設置した自治体や団体ごとに違い、意見や主張の度合いも違うように感じました。
その理由としては、貴協会のご意見にあるように、犬連れに対する誤解や偏見もあるのかもしれません。法的な拘束力がないお願い看板のため、設置者がそれぞれの判断で内容を決めてしまい、足並みがそろっていないということもあると思います。
貴協会から寄せられた意見は、今後の本県の自然公園行政に反映させるとともに、このような議論があることを自然公園の所管官庁である環境省に情報提供し、意見調整を図っていきたいと考えています。
長くなりましたが、貴協会からのご質問への回答と、当センターの意見を述べさせていただきました。どうか趣旨をご理解いただき、会員のみなさまにもお伝えいただければと思います。
神奈川県自然環境保全センター 自然保護公園部自然公園課
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神奈川県自然環境保全センター
企画管理部 企画情報課 (広報担当)
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G Fの回答に対するお礼と再度の質問のメール(04年2月28日)
from:O−DOG
date:2004年2月28日 15:13
to:神奈川県自然環境保全センター
【御礼とご質問】
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部 自然公園課様
日本アウトドア犬協会(O−DOG)と申します。
当会の犬連れ同伴制限調査に多大なご協力をいただきありがとうございます。
1月21日付でお送りした【丹沢の犬同伴制限調査への御礼と再度のお願い】のご回答、2月13日にたしかにいただきました。
いただいたご回答はO−DOGの公式サイトにて公開させていただきました。
下記URLにてご確認いただければ幸いです。
さっそく事務局でご回答の内容を検討させていただきましたが、当会の自然保護に対する基本姿勢や犬連れアウトドア活動について、正確にご理解いただいていない点も感じられます。
また、ご回答の内容について当会としてはなお理解できない点も数箇所ございますので、これらの点についても別紙のとおり再度説明と質問をさせていただきます。
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犬といっしょに歩く。いっしょに遊ぶ。いっしょに、生きていく。
日本アウトドア犬協会"O-DOG"
Webサイト http://www.o-dog.net/
Email info@o−dog.net
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〔以下別紙〕
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部 自然公園課御中
2004年2月28日
日本アウトドア犬協会
前略
2月13日付でいただきました当協会の【丹沢の犬同伴制限調査への御礼と再度のお願い】のご回答に対し、当協会として補足説明をさせていただくと同時に、理解いたしかねる点、詳細を承知いたしたい点について質問をさせていただきます。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
記
■O−DOGの山岳地域の環境保全に対する基本姿勢と今回の調査の目的
すでに当会の公式サイトをご覧いただきご承知のこととは思いますが、まず、当会の活動理念と山岳地域の環境保全その他について、あらためて述べさせていただきます。
◇O−DOGの活動理念
当会の活動理念は要約すると以下のとおりであり、公式ウェブサイトの「設立趣意書」に記載されています。
http://o-dog.net/general/bylaw/statement.htm
1、人と犬との好ましい共生社会の実現
2、自然環境保全に配慮したアウトドア活動の推進
3、犬連れアウトドア活動に関するマナーやルール等のガイドラインの作成とその普及
◇山岳地域の環境保全に関するO−DOGの姿勢
これについては公式ウェブサイトの「自然保護を考える」にまとめてあります。
http://o-dog.net/general/investigation/shizennhogo-top1.htm
また、具体的な登山活動と山岳地域の環境保全については以下の考え方を基本姿勢としています。
1、愛犬家の立場にとらわれず、全ての関係者との協力・協働・相互理解を通して、山岳地域の環境保全を推進し、自然と他者に優しいアウトドア活動の普及に貢献していきたい。
2、特に希少な動植物の棲息地、根本的な回復のための対策が必要なオーバーユース等による過酷な環境負荷にさらされているエリア等については、必要によって一定時期・一定期間・一定エリアを対象に登山者や犬を含めた全ての外来者の立ち入り禁止等の厳しい措置もやむをえないと考えています。
3、したがって犬連れ登山者がすべての山岳地域に立ち入ることができるべきとは考えていません。
4、ただし、一般登山者であると犬連れ登山者であるとにかかわらず、このような行動制限乃至は禁止は、対象者の理解を得られる根拠(かならずしも科学的に解明された根拠である必要はないが、納得性が高いことが必要です)に基づくものであるべきであり、また行動制限乃至は禁止措置を行なう管理者にも対象者の理解を得るためのそれ相応の説明責任が生じると考えています。
5、地域管理者がこうした説明責任を果たすことが、当該山岳地域の環境保全への理解の促進、登山行動におけるルールの遵守、マナーの向上につながります。
◇今回の犬同伴制限調査の目的
以上の諸点を実現するために、今回の調査を行なっており、その目的等についても公式ウェブサイトで公開しています。調査の目的をさらに補足すれば、
1、会員に対する、「同伴制限」に関する情報の提供。
→会員をはじめ愛犬家に同伴制限情報を広報し、その制限エリアへの立ち入りを未然に防ぐことを目的とした現地情報の収集です。
→ついでに申し上げておきますと、同伴制限の根拠の確実性の有無に関わらず、当会としては地域管理者の指示に従うよう、会員をはじめ愛犬家に要請しています。
2、過去に犬連れによるトラブルがあった場合は、再発を防止するための注意喚起。
→トラブルの再発防止と具体例によるルール、マナーの遵守を喚起することを目的としています。
3、犬の同伴による環境負荷が問題となっている場合には、その具体的事例についての注意喚起。
→具体的事実に基づいて、自然に優しい登山活動実施のための愛犬家向け注意情報(してはいけない・しないでほしい情報)を発信することが目的です。
→いただいた具体的事例を検討し、場合によっては会員その他の愛犬家に当該地域への犬連れでの立ち入り自粛を呼びかけます。
4、自然環境の保護保全のため、今後日本国内のアウトドアフィールドにおいて犬の同伴を自粛すべき自然環境、立地等についての基準作りを行う。
→上記「山岳地域の環境保全に関するO−DOGの姿勢」の2、3に記した犬連れの立ち入り自粛エリアの設定実現のため、地域管理者のみなさんがどのような基準で同伴制限を行なっているかをまず知りたいと考えています。
◇調査に関する補足活動について
1、いただいた貴重な調査結果を広く愛犬家に広報するため、公式サイトで公開しています。
2、看板の文言に地域管理者が抽象的な「立ち入り禁止」に関する文言しか掲載していない場合は、地域管理者に相応の説明責任を果たしていただき、対象者の理解を得るための具体的な根拠・禁止行動等を記していただくよう、お願いしています。
3、上記2について、愛犬家が理解できるような同伴制限の根拠、または禁止行動について、当会としてご提案・お願いを申し上げています。
■丹沢山塊に関する調査のこれまでの経緯
◇第1回目のご回答
→同伴制限を行なう理由の冒頭に、「犬や猫などのペットから移ったと考えられる疥癬(かいせん)症」を挙げられ、さらには「丹沢では疥癬症のため、一時はタヌキがほとんど見られなくなったと言われています」と述べられているので、とりあえず一点だけとお断りしたうえで、この理由の正確性について見解を述べさせていただきました。
→当会としては、登山者が連れて入る「ペット」とはほぼ犬と同義であるため、「ペット」という抽象的な存在ではなく、登山者が連れて入る犬が野生動物に疥癬を伝染させる可能性は限りなく小さいことを申し上げました。
→この点についての当会の見解に理解をしていただき、感謝しております。
◇第2回目のご回答
→上記のとおり、第1回のご回答の冒頭にあった同伴制限の理由については当会の見解に理解をいただきましたが、第2回のご回答では、「疥癬以外の病気も含めた伝染病がペットから野生動物にうつる(あるいはその逆)可能性や、犬の存在がストレスとなり動物の繁殖に影響するなどの可能性が、指摘されているのも事実です」と回答されているので、再度この点について当会の見解を述べさせていただきました。
→当会としては、きちんとした対応策を考えるためにはやはり抽象的な「ペット」についてではなく、登山者が連れた「飼い犬」について検討すべきであるとの立場から、
@登山者が連れて入る犬が野生動物に「疥癬以外の病気も含めた伝染病」を伝染させる可能性は限りなく小さいこと。
Aまた「犬の吠え声が野生動物へのストレスになることを懸念」されているので、その可能性も限りなく小さいことを申し上げました。
→ただし理論的にこうした可能性が皆無ではないこと、また野生動物へのストレスとなる「騒音」を防止するのであれば、犬以外の騒音源についても登山者に注意が必要との観点から、看板に掲げる具体的な注意情報について提案させていただきました。
→第3回の回答で「登山者が連れて行く犬が感染症にかかっている可能性は低い」という当会の見解に同意していただいたことに感謝しています。
■今回のご回答について
当会の活動理念や山岳地域の環境保全に対する基本姿勢、これまでの調査の経緯を踏まえ、今回のご回答を検討させていただきました。
検討の結果、以下の各項目について再度当会の「理解」を述べさせていただくとともに、ご回答についてさらに詳細に内容を承知したい点について、ご質問をさせていただきます。ご教示のほど、お願いいたします。
◇犬は野生動物に病原菌を感染させる(懸念がある)から入山は認められないという点について
1、「登山者が連れて行く犬が感染症にかかっている可能性は低い」ことに同意していただきながら、「野生動物が感染する恐れのある病原体が、犬の体内または体表に付着して野生動物の生息地に運ばれ」る懸念を表明しておられますが、この関係が当会には理解できません。
2、ワクチン接種は、これらの病気にかかる前に体の中に抗体を作り免疫をつけて発症しないよう、万一発症しても軽い症状で済むようにすることを目的で実施されているものであり、「登山者が連れて行く犬が感染症にかかっている可能性は(限りなく)低い」とは、登山者が連れて入る予防措置を講じた犬は野生動物に何らかの病気を感染させる可能性が限りなく低い(たとえ病原体を保持していても、他の動物に感染させるに足る活性をもっていない)ということにほかならず、上記の二つはほぼ同義であると当会は理解しております。
3、そこで以下の各点についてご質問いたします。
【質問1】
具体的に「野生動物が感染する恐れのある病原体が、(予防措置を講じた)犬の体内または体表に付着して野生動物の生息地に運ばれる懸念」として貴センターはどのようなイメージをお持ちか、ご教示をお願いします。
それによって、当会としても愛犬家に具体的かつ有用な情報を発信できます。
【質問2】
「犬以外も含めてさまざまな動物が輸入されている現在、外国からどんな病気が入ってくるかもわからないのが実状ではないでしょうか」とのご意見ですが、もしその懸念でなんらかの登山制限を行なうなら、飼い犬に限らず、むしろさまざまな地域に出かけ、さまざまな動物と接触する可能性の高い一般登山者の方が予測できない病気の伝播役になる危険性が高いという指摘が会員から寄せられており、当会でも同様な見解をもっております。
この点について貴センターの見解をお伺いします。
【質問3】
予測できない病原体が野生動物に伝染することを理由に、貴センターは現段階の丹沢山塊においてほんとうになんらかの登山制限が必要と認識しておられるのか、見解をお伺いします。
【質問4】
上記登山制限の必要性を認識されておられるなら、丹沢山塊の野生動物に対する影響の未然防止には、未知の病原菌を保持している可能性の高い人間(愛犬家以外の一般登山者でも種々のペットを飼っている人は非常に多い)に対してもなんらかの登山制限が必要になると思われますが、この点について人間の行動制限を実施される用意がおありか、見解をお伺いします。
◇迷い犬について
【質問5】
「きちんと管理している犬が山で迷子になる例も、決して少なくない」とのご意見ですが、こうした事例が発生していることは当会としても憂慮しております。
当会としても会員をはじめとする愛犬家に注意喚起をいたしたく、こうしたケースの発生例、発生頻度等を具体的にご教示いただければ大変有用な情報になります。
【質問6】
すべての犬連れ登山者に同伴制限を課さねばならないほど、こうした例が丹沢の「生態系のバランス」を崩す要因となっていると認識されておられるのか、見解をお伺いします。
◇犬の存在が野生動物のストレスになるという点について
1、「犬の存在自体がストレスとなり動物の繁殖に影響する」例としてライチョウを挙げられておりますが、丹沢山塊に棲息しない動物を挙げられるのは適切とは思われません。
@当会としても、ライチョウの棲息状況や保護策については情報収集や議論を行なっており、ライチョウの棲息域には犬を立ち入らせるべきではないとの姿勢です。
Aライチョウについては、立山など観光地化したエリアでは、人間の行動の影響が大きく、保護のために人間の行動についてなんらかの対策も必要だと考えています。
Bまた、ライチョウの病気感染や生息数の減少には、原因が解明されていない以下のような状況も報告されています。
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~wildlife/newpage5.htm
C人間の登山活動が生息数減少の原因との分析もなされています。
http://www.keiryou-keisoku.co.jp/other/yachou/raityou02.html
http://www.pref.gifu.jp/s11549/reddata/data/bird002.htm
2、「地表近くで繁殖する鳥獣に(ライチョウ)同様の影響が及ぶ可能性」を危惧されていますが、この点について質問いたします。
【質問7】
丹沢山塊において登山者を対象にしたなんらかの対応策をとらねば「地表近くで繁殖する鳥獣」の繁殖に重大な影響が生じるレベルになっていると認識されておられるか、この点について見解をお伺いします。
【質問8】
登山道を外れて歩く、大声をあげながら歩く、登山道以外で用を足す登山者等も非常に多く、これらの登山者の行動はよくしつけられた犬以上に地上で行動する野鳥等のストレス要因になります。もし丹沢山塊が上記の危惧すべきレベルであると認識されておられるなら、犬のみならず一定地域における人間の行動制限も必要になると思われます。この点について人間の行動制限を実施される用意がおありか、見解をお伺いします。
◇「自然公園のすべての場所への犬連れ自粛を求めているわけでもありません。」というご見解には感謝します。
■今後の対応策についての質問とご提案
◇こうした議論を重ねることによって、何が問題であり、どうすればいいかが双方に判明していくことは貴重だと思っております。
◇ただし以下に述べますように、現在登山口に掲げられている犬の同伴制限に関する文言は、行動を制限される対象者のみならず、その他の登山者に対しても先述した説明責任を果たしているといえるだけの充分なものではありません。
1、「自然公園のすべての場所への犬連れ自粛を求めているわけでもありません。」とのお答えをいただきましたが、現在の看板の抽象的な文言には貴センターが意図している情報は掲載されていません。
2、現在の看板の「ペット」に関する抽象的な文言からは、自然環境において前提条件なしに犬は有害な動物であり、丹沢のすべてのエリアにおいて犬の立ち入りは“禁止”されていると一般登山者に解釈されてしまいます。
実際に、同伴制限を知らない犬連れ登山者が西丹沢自然教室からゴーラ沢出合い方面に入ったところ、「丹沢は犬は禁止だ、犬を連れてくるのは非常識だ」と一般登山者から罵倒 されたという報告も当会になされています。
3、こうした抽象的な文言のみの看板は、犬は有害という、犬に関する偏見と誤解を社会に広げる働きをします。そこで以下の点について質問いたします。
【質問9】
抽象的な看板の禁止と受け取られる文言はこういうマイナスの働きもしており、これを納得性のある具体的な文言に改善していただきたいと当会は希望しますが、この点についての見解をお伺いします。
【質問10】
同様に、現在のような犬に関する誤解を広める文言は、現在進められている盲導犬、聴道犬、介護犬等のサポートのもとに生活圏を広げようとしている障害者の、アウトドアライフを楽しもうとする活動を阻害する結果にもなります。
また、山岳救助犬の訓練にも山岳地域における実地トレーニングは不可欠ですが、こうした社会に有用な活動も誤解と偏見の広がりで阻害される結果を生みます。
この点についての貴センターの見解をお伺いします。
◇丹沢山塊においてもし自然条件が何らかの登山者の行動制限が必要なレベルになっているとお考えなら、地域管理者としてその措置にふさわしい説明責任を果たしていただきたいと当会は考えるものですが、この点について以下に質問いたします。
【質問11】
納得性のある根拠を明示して、全ての登山者に行動制限の必要性とその内容が正確に理解できる努力をしていただくことが必要と考えますが、この点についての貴センターの見解をお伺いします。
【質問12】
一定エリア、一定時期、一定期間何らかの登山規制が必要とお考えなら、その条件も明示していただく必要があると考えますが、この点についての貴センターの見解をお伺いします。
【質問13】
登山者になんらかの行動制限を課す場合には、客観性のある根拠が必要ですが、丹沢山塊において現在この面での調査、分析はどの程度行なわれているのでしょうか。また今後データに基づく対応策を進めるために、どのような対策をとられるつもりか、状況と見通しをお伺いします。
当会は貴センターの活動に深く賛同しており、丹沢山塊の自然保護になんらかの貢献をしたいと考えております。
同時に、日本のアウトドアフィールドにおける犬の同伴制限の基準となるものを可能なかぎり早期に確立することが、人間と犬との好ましい共生社会の実現には必要と考えております。一連の調査、ご提案、質問等はこの基準確立の一助とするためのものであることをご理解いただけると幸いです。
丹沢山塊の自然保護を担う管理機関であり、自然保護のご専門家としての立場から、上記質問にお答えいただけると当会としても大変勉強になります。
よろしくご協力のほど、お願いいたします。
草々
I 回答する意思がないと判断し、O-DOGの公式サイトで公開した旨を通知したメール(04年4月2日)
from:O-DOG
date:2004年5月23日 17:27
to:神奈川県自然環境保全センター
subjeci:「西丹沢における犬の同伴制限に関するご質問について」
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部 自然公園課様
日本アウトドア犬協会(O−DOG)と申します。
掲題についての当会の調査にご協力いただき、御礼申し上げます。
昨年10月21日付にて当会の調査に対するご回答をいただきましたが、これに関して当会から3回にわたりご質問とご提案をさせていただきましたが、2月28日付でご送付差し上げました3回目の「お礼とご質問」に対してはご回答をいただけないため、4月10日付でご回答をいただきたい旨のお願いを再度いたしましたが、いまだにご回答をいただけないまま、約2ヶ月が経過しております。
当会では丹沢の環境保全の推進と、すべての利用者が自然に優しい登山を実践できるために一連のご質問・ご提案をさせていただいたわけですが、残念ながら神奈川県自然環境保全センターには、登山者の犬連れ同伴制限についての一般からの質問や提案に懇切に対応していただく意思がないと判断させていただき、その旨、当会の公式サイトにて公開させていただきました。
公開内容は以下のURLでご確認いただけます。
とりあえずご連絡まで。
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犬といっしょに歩く。いっしょに遊ぶ。いっしょに、生きていく。
日本アウトドア犬協会"O-DOG" 事務局長
Webサイト http://www.o-dog.net/
Email info@o−dog.net
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J Iのメールに対し、神奈川県自然環境保全センターからいただいたお返事
from:"自然環境保全センター 企画情報課"
to::O−DOG
date: Wed, 26 May 2004 17:02:25
subject: 西丹沢における犬の同伴制限に関するご質問への回答について
日本アウトドア犬協会 御中
2月28日、4月10日、5月23日付メール及び貴協会のホームページ拝見しました。
丹沢大山国定公園における登山道へのペット同伴自粛に関する当センターの見解、及
び
同公園での自然環境保全に関する当センターの取り組みに関しては、
これまで回答させていただいたとおりです。
自然環境保全センター
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