●●神奈川県 丹沢山塊(西丹沢)

設置場所 丹沢湖上流の中川流域沿い 西丹沢自然教室前
撮影日 03年8月10日
その他情報 看板設置者は「神奈川県自然環境保全センター」。03年6月下旬には設置されていなかったことから、03年の夏休み期間の直前に設置されたものと考えられる。
調査状況 @ 03年10月8日●看板設置者である「神奈川県自然環境保全センター」へメールにて「調査票」を送付しました。
A 03年10月15日●「神奈川県自然環境保全センター」より、現在回答を作成中である旨の連絡をいただきました。→回答全文はこちら
B 03年10月21日●「神奈川県自然環境保護センター」より、調査票に対する回答をいただきました。→回答全文はこちら

なお、いただいた回答は大変真摯なものではありましたが、犬と伝染病との関わり等について誤解や事実誤認が認められたことから、O-DOG事務局より、再度メールを差し上げる予定です。

C 03年11月19日●上記回答書に対して、お礼と提案のメールを送付しました。→メールの全文はこちら
D 04年12月22日●上記提案メールに対するお返事を頂きました。→メールの全文はこちら
E04年1月21日●12月22日付の1度目のO−DOG提案メールに対する返信に対して、2度目の提案メールを送信しました。→メールの全文はこちら
F04年2月13日●2月21日付けの2度目の提案メールに対して、お返事をいただきました→メールの全文はこちら
G04年2月28日●2月13日付の3度目の回答に対するお礼と質問のメールを送付しました。→メールの全文はこちら
H 04年4月10日●2月28日付の質問に対する回答がないため、督促状を送信しました。
I 04年5月23日●「神奈川県自然保護センター」には一般からの問い合わせに回答する意思がないと判断し、O-DOGの公式サイトで公開した旨をメールでお知らせしました。→メールの全文はこちら
J 04年5月26日●5月23日付けの当方のメールに対し、神奈川県自然保護センターから受領を確認した胸のお返事をいただきました。→メールの全文はこちら

A 「回答作成中」のお知らせ全文(3年10月15日)

03年10月15日●「神奈川県自然環境保全センター」より、現在回答を作成中である旨の連絡をいただきました。
その回答より、個人名および個人アドレス、電話番号を省略した全文を、以下に掲載します。

----- Original Message -----
From: "自然環境保全センター 企画情報課"
To: "O−DOG"
Sent: Wednesday, October 15, 2003 8:04 PM
Subject: Re: 西丹沢における犬の同伴制限に関するご質問


 日本アウトドア犬協会"O-DOG"
 事務局長様

 「西丹沢における犬の同伴制限に関するご質問」について現在回答を作成中です。
 もうしばらくお待ちください。

 ******************************************************
 神奈川県自然環境保全センター 
 企画管理部 企画情報課 
 〒243-0121 神奈川県厚木市七沢657
  http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/05/1644/main.html
 ******************************************************

 



B 「犬の同伴制限に関する調査票」への回答(03年10月21日)

日本アウトドア犬協会 御中

拝啓
神奈川県自然環境保全センターと申します。
犬の同伴制限に関するご質問のメールを拝見させていただきました。
実態調査票につきまして、以下のとおり回答させていただきます。よろしくお願いい
たします。

■回答者の所属機関と部署
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部・自然公園課
■現地を管理している機関の名前
上記所属と同じです。
■犬の同伴制限の具体的内容
登山者むけのマナー啓発看板として、以下のような文面の看板を設置しています。
以下に示すのはその全文ですが、場所によっては若干項目が違うところもあります。
「野生動物と共存するために」はすべての場所に共通です。)

● 自然にやさしい登山を心がけていますか?

○ 階段や木道を歩きましょう
 登山道沿いや山頂では、登山者の踏みつけによって植物が枯れて荒地が広がってい
ます。山を愛する登山者のみなさん、歩きにくくても階段や木道を歩きましょう。

○ 野生動物と共存するために…
 餌を与えないでください。餌をもらうことを覚え、自分で餌をとれなくなった動物
は、野生では生きていけません。
 ペット同伴は控えてください。ペットから野生動物に病気が移ったり、逆にペット
が病気を持ち帰る原因になります。

○ 紙は持ち帰るのが「山のトイレ」のマナーです
 下水道も電気もない山のトイレ。し尿はバクテリアによって処理されますが、紙ま
では分解できないため、持ち帰りをお願いします。

○ ゴミはすべて家まで持ち帰りましょう
 生ゴミは土に帰るからいいと捨てていく人がいますが、分解には数十年かかるう
え、野生動物がゴミをあさることがキャンプ場などで問題になっています。
■具体的な告知および周知の方法
上記の文面の看板を、丹沢大山国定公園の主要登山口に5箇所(山北町玄倉・西丹沢
自然教室、秦野市大倉・二俣・ヤビツ峠)に設置し、登山者への呼びかけを行ってい
ます。
■誰がその制限を行うことを決めたのですか?
看板の設置及び内容は、自然環境保全センターで決めました。
■その制限をはじめたのはいつですか?
看板は平成15年3月に設置しました。
■制限を行うようになった理由を教えて下さい
貴協会の分類では、「2:環境負荷」に該当すると考えられます。

神奈川県内では、犬や猫などのペットから移ったと考えられる疥癬(かいせん)症が、90年ごろからタヌキやハクビシンなどの間で流行しています(加藤・石渡1997,1998神奈川県自然保護センター報告)。当センターの傷病鳥獣保護の記録によりますと、伝染病で持ち込まれたタヌキ(ほとんどが疥癬症)は、91年には7頭だったのに対し、99年24頭、2000年13頭、2001年24頭と増えています。流行は箱根(87年ごろ〜)、丹沢(90年ごろ〜)など自然公園の区域内で発生し、その後、山麓や都市部にもひろがって現在に至っています。丹沢では疥癬症のため、一時はタヌキがほとんど見られなくなったと言われています(神奈川県生命の星・地球博物館2003「神奈川の自然図鑑3・哺乳類」)。

このほかにも、自然公園へのペットの連れ込みについては、ペットの糞尿が生態系に悪影響を与える、犬の存在自体がストレスとなり動物の繁殖に影響する、疥癬症以外の病気の伝染など、さまざまな可能性が指摘されています。

これらをひとつひとつ科学的に検証することは非常に難しく、ペット同伴登山を規制する法的根拠も存在しません。しかし、今回の看板を設置した丹沢山塊は、希少動植物が数多く生息する自然林が広範囲に分布し、失われた生態系のバランスを取り戻すさまざまな取り組みを実施しているエリアでもあり、「ペット同伴は控えてください」というお願いの形で看板を設置し、ご協力をお願いしていくことといたしました。


C Bの回答に対して送付したお礼と提案(03年11月19日)

from:O−DOG 
date:2003年11月19日 13:55
to:神奈川県自然環境保全センター 

Subject:「御礼とお願い」

神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部・自然公園課 様

日本アウトドア犬協会(O−DOG)と申します。

過日私どもがお送りした「西丹沢の犬の同伴制限に関する質問」の調査票に回答をいただきありがとうございました。

いただいたご回答はO−DOGの公式サイトにて公開させていただきました。
下記URLにてご確認いただければ幸いです。

当会は、人と犬との共生、および山岳地域の自然保護の推進を課題に運動をすすめております。
また、当会は、犬の躾や飼主のマナー向上、あるいは犬連れアウトドアについて、いささか知識やノウハウの蓄積があります。

このような立場からいただいたご回答を検討させていただきましたが、現在の犬の同伴制限を求める看板で有効な対策となりうるか、疑問点が幾つか見えます。
もちろん、当会は貴センターの対策に異を唱えるものではなく、的確な原因究明によるより効果のある対策を実施し、丹沢山域において自然保護がより的確に推進できることを願って、建設的な提案をいたしたいと思っております。

この趣旨から、今回はとりあえず一点だけ、犬の同伴制限のもっとも大きな理由となっている疥癬について以下に意見を申し上げ、提案をさせていただきたいと思います。


1、丹沢山域のタヌキやハクビシンの疥癬の流行は登山者が山につれて入った犬が原因との貴センターの説は、忌憚のない意見を申し上げさせていただくと、飼い犬に対する誤解に基づくものと思われます。

2、ご承知のように動物の疥癬はセンコウヒゼンダニにより感染・発症しますが、これは激烈な痒みを伴います。飼い犬がこの症状を見せれば、飼主はすぐに気づき、まずほとんど即座に獣医の治療を受けます。このセンコウヒゼンダニは人間にも感染するため、登山のパートナーとして山に犬を連れて行くほどの愛犬家が、自分の犬のこのような症状を放置したまま、車に乗せ、一緒に山に入ることは考えられません。
蛇足ながら、犬及び人の疥癬については以下の情報をご覧ください。

◆千葉犬緊急救護PJ、疥癬について
http://animal-note.cool.ne.jp/sick01.htm

◆岩手県医師会ホームページ、疥 癬
http://www.iwate.med.or.jp/kaisen/kaisen2.html


3、タヌキ等の野生動物の疥癬の流行とこれに伴う個体数の減少は、15年程前から全国的な現象となっており、キツネやイノシシでも流行しているようです。犬連れ登山者がほとんど入らない北海道の山でも同様な現象が問題になっており、疫学的な面からも登山者が連れて入った犬が原因とは考えられません。
以下の情報をご覧ください。

◆斜里町立「知床博物館」、情報求む!疥癬キツネ・タヌキ
http://www.ohotuku26.or.jp/shari/museum/page/fox.html

◆中国新聞「聞こえますか 野生の叫び」、牛田山のタヌキ―広島市東区―
http://www.chugoku-np.co.jp/yasei/000220/000220.html


4、疥癬はご承知のように接触性の感染症であり、またセンコウヒゼンダニは数日間以上動物の体から離れると生きていけません。つまり登山者がつれた犬が仮に疥癬にかかっていたとしても(考えられないケースですが)、タヌキ等の野生動物と直接接触しないかぎり、まず犬の疥癬は感染しません。
登山中に犬がタヌキ等の野生動物と接触することは、理論上はありえても、コントロールされた犬が現実に野生動物と接触することなどまずありえません。
また、通常野生動物の方が犬を警戒して逃げるため、接触の可能性はゼロに近いと思われます。
したがって、この面からも、登山者がつれた犬が野生動物に疥癬を感染させるということは考えられません。

5、タヌキ等の野生動物が疥癬にかかる原因としては、以下のようなことが考えられます。
 
●疥癬におかされた野犬の死体があり、それをキツネやタヌキなどの雑食性の動物が食べることによる感染。

●雑食性で高い繁殖力をもつタヌキが、棲息域を狭められ、人里に進出したことにより、なんらかの原因で感染が広がった。(野犬などの天敵のいないエリアでもタヌキの疥癬は流行しているようです)

●人里に進出したタヌキは、人間が与えるエサや残飯にありつける機会も多く、その結果動物の個体数が増えるなかで、病気にかかって野生動物本来の免疫力が低下する固体も増え、こうした個体が人里の犬や猫と接触し、あるいはタヌキ同士の過度の接触により、感染が広がる。


6、したがって「山のタヌキにうつった疥癬がその後山麓や都市部に広がった」という御説は、むしろ因果関係が逆であると思われます。
こうした状況については以下の情報をご参照ください。

◆東北大学付属植物園、ホンドタヌキ(青葉山)
http://www.biology.tohoku.ac.jp/garden/aobayama/201Nycter.html

◆中国新聞「聞こえますか 野生の叫び」、牛田山のタヌキ―広島市東区―
http://www.chugoku-np.co.jp/yasei/000220/000220.html

◆voice of the wild life、ホンドタヌキ
http://www2.ucatv.ne.jp/~avocetta/tanuki.html

◆到津の森公園/獣医さんのお仕事【タヌキの疥癬症〜人との正しい共存を願って】
http://www.kpfmmf.jp/zoo/vet/034.html


7、当会では、地元の管理機関の指示に従うことを登山の基本ルールのひとつとしていますが、看板を設置しても目につかない、あるいは同伴制限を知らずに犬を連れて山に入る登山者を防ぐことは不可能と思われます。法的根拠に基づく明確な禁止措置ができない以上、看板を無視されることもありえます。

もし野生動物への疥癬の感染が危惧されるのであれば、こうした事態に備え、以下のような明確な注意喚起情報を掲げるべきではないでしょうか。

●この付近で疥癬のタヌキが多数出ていることを写真やデータつきで告知する。

●疥癬がこれ以上広がらないようにするために、疥癬の犬や予防注射未接種の犬の入
山を自粛するようによびかける。

●タヌキの疥癬が登山者の犬に感染する可能性についても告知する。


8、また、同伴制限すべき具体的なエリアの特定と根拠の明示なくしては、行動(入山)を制限される人々に対する説得力も弱いと思われます。
この点についても配慮が必要と思われます。

9、注意情報を上記のように野生動物への感染防止のための具体的なものに変更していただくことが、危惧される事態の防止には有効であり、また犬連れ登山者への説得力も増すと思われます。

当会としては、犬連れアウトドア活動家の立場から、また山岳地域の自然保護を推進する立場から、こうした具体的な情報発信をされることをお願いするものですが、もしこのような注意喚起情報に変更されるなら、当会でも同じ趣旨での注意情報をウェブサイトやセミナー等で発信し、広く愛犬家に周知することを考えております。


以上趣旨ご賢察いただき、ご検討いただければ幸いです。


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犬といっしょに歩く。いっしょに遊ぶ。いっしょに、生きていく。
日本アウトドア犬協会"O-DOG"事務局長
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D Cの提案メールに対するお返事(04年12月22日)

日本アウトドア犬協会 御中

 登山マナー看板に関する意見のメール、ありがとうございました。
 貴協会からのメールにありました、疥癬が飼い犬からタヌキに伝染したという説に
対するご意見は、よく理解できます。
 しかし、疥癬以外の病気も含めた伝染病がペットから野生動物にうつる(あるいは
その逆)可能性や、犬の存在がストレスとなり動物の繁殖に影響するなどの可能性
が、指摘されているのも事実です。

 県民の財産とも言える丹沢大山の自然環境を保全するためには、確証が得られてか
ら(決定的な影響が出てから)では遅いと考え、法的な拘束力のない「ペット同伴は
控えてください」とするお願いの看板を設置したもので、趣旨をご理解いただきたい
というのが私たちの希望です。

 なお、いただいたメールで「同伴制限するエリアを特定すべき」とご指摘をいただ
きました。本看板は、丹沢大山の主要な山頂に至る、あるいは山頂間を結ぶ登山道を
想定し、その登山口にあたる場所に登山者に呼びかける形で設置してあります。
 ペットと野生動物の問題については今後もデータの収集に努め、いただいたご意見
やご提案は、今後の看板の設置や更新の際の参考にさせていただきたいと思います。

 
神奈川県自然環境保全センター
自然保護公園部 自然公園課

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神奈川県自然環境保全センター 
企画管理部 企画情報課 (広報担当) 
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→西丹沢データ−2に続く

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