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2006年01月10日
山岳地域の自然保護に関するO-DOGの提言
「ジャーナリストの提言」に見られる問題点の指摘をふまえ、「自然環境の保護保全」と「共生」2つの視点を持つO-DOGが考える「自然保護」に対する提言です。
項目は以下の3つです。
■山岳地域の自然保護に関するO-DOGの認識
■O-DOGが提唱する「5つの提言」
■自然保護に関するO-DOGの行動
この問題に対するO-DOGの基本的な考えかたを、3つの項目にまとめました。
なお、この「提言」のを作成するにあたっては、森林生態学を専攻し、ジャーナリストでもあるピクパ氏の論考「ジャーナリストの提言」およびその「付表」を参考文献とさせていただきました。
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■山岳地域の自然環境保護に関するO-DOGの認識
日本アウトドア犬協会(O-DOG)は、自然環境の保全とマナーに配慮した犬連れアウトドアライフの実践を通し、人間と犬が豊かに共生できる社会の実現を目指しています。
このため、アウトドア活動を行なう愛犬家のルール遵守・マナーの向上を推進することはもちろん、ひろく山岳地域の自然保護、あるいは自然環境に配慮したアウトドア活動の推進にも取り組んでいます。
アウトドアフィールドとしての、山岳地域を中心にした我が国の自然環境の現状は、自然の自己回復力を超えた過度の開発、過度の利用による、いわゆるオーバーユースにさらされ、なんらかの対策を必要としているエリアが多数存在しています。
こうした現状の中で、自然保護を名目にした犬同伴制限エリアが拡大しています。
このような自然を享受する権利の制限が、行動の制限を受ける多くの利用者に理解・支持され、かつ効果的な措置であるかぎり、O-DOGはこれらの制限に反対するものではありません。
しかしこれらの制限には、納得性のある科学的な調査と分析による、自然環境の保全のための不可欠の対策として実施されているとは思えない例が多数存在しています。観光開発で自然環境が破壊されつつあるエリアで、自然保護を名目にした行動制限が課されている地域も多数あります。優先順位の低い犬同伴制限を実施することで良しとし、その他の抜本的な対策がなおざりにされているエリアも存在しています。
O-DOGはこうした現状を憂慮しています。また、愛犬家であると否とに関わらず、アウトドアフィールドの開発・利用に関わる多くの利用者・地域管理者・行政機関等が力を合わせ、優先順位の高い効果的な対策を急ぐことなしには、こうした自然環境の保護・回復の実現は困難だと考えます。
D-DOGはこうした認識のもと、豊かな日本の自然を維持・回復するため、すべての関係者が以下の提言を実践・実現するために努力することを提唱します。
■O-DOGが提唱する五つの提言
1、山岳地域の植生の維持・保護のために
◎山岳地域に存在しない低地の植物の種子を持ち込まないよう、人も犬も登山前に以下を心掛ける。
●入山前に登山靴の泥をしっかり落とす。
●種子がつきにくい素材のズボン、シャツ、ザック等を使用する。
●犬の体毛に付着した種子が持ち込まれないよう、自宅出発前にかならずシャンプー・入念なブラッシング等を行なっておく。
◎登山道工事や山小屋の増改築工事などで建機・建築資材・土砂などを山岳地域に搬入する場合、工事関係者・地域管理者はこうしたものに低地の植物の種子が付着し、山岳環境に拡散しないよう、最大限の注意と予防措置を講じる。
◎高山植物のお花畑・湿原等の保護のために、人も犬も以下を実践する。
●地域管理者の指示に従う。
●山岳地域の植物を採取しない。
●盗掘を発見した場合は地域管理者・行政機関等に速やかに通報する。
●写真撮影等で立入り禁止地域に踏み込まない。
●犬の飼主は、こうした地域に「コントロールできない犬」をオフリードで連れ込まない。
●冬季の山スキー・スノーシュー等の雪上の活動は、活動するフィールド、積雪量、人数等に配慮し、環境への負荷を最小限度にとどめるよう配慮する。
◎山の植物を折ったり持ち帰ったりしない。
◎指定地以外で幕営しない。
◎山火事防止、景観保全のために焚火(直火)は行なわないことが望ましい。
◎喫煙者は携帯用灰皿を持参し、絶対に吸殻を山中に捨てない。
2、登山道の保全のために
◎登山道を外れて歩かない。
◎ショートカットをつくらない。また、こうした不要な踏み跡には入らない。
◎登山団体・ツァー登山を主催する観光業者等は、オーバーユースの防止、登山者の集中分散化に配慮する。また参加者のルール・マナーの徹底を図る。
◎地域管理者・行政機関等は必要な個所への木道・階段等の整備を行ない、登山者が登山道以外の場所を歩かないような措置を図る。
3、山岳地域の汚染防止のために
◎登山活動中の排泄については以下を心掛ける。
●人も犬も可能なかぎり野外排泄を行なわない。犬の飼主は、可能なかぎりコマンドによる排泄のコントロールを実施する。
●やむを得ず野外排泄を行なう場合は、排泄物は人は排泄者自身が、犬は飼主が始末し、山中に残さない。落ち葉で隠したり埋めたりしてはいけない。
●このため、行政・地域管理者等の関係者は登山者の携帯トイレの使用を推進する。
◎山小屋経営者・行政機関等は、山小屋のトイレの改善を推進し、排泄物を自然環境に放出しない措置を講じる。
◎ごみの扱いについて
●自分で出したごみは自分で自宅まで持ち帰る。
●登山団体は清掃登山の実施を心掛ける。
4、野生動物への配慮
◎地域管理者・行政機関等関係者は、ライチョウ等高山の希少動物の棲息域に関する注意情報を適切な手段で利用者に開示し、希少動物の棲息域に人が踏み入り、悪影響を及ぼさない措置を積極的に推進する。
◎人も犬も希少動物の棲息域には可能なかぎり踏み入らない。やむをえず棲息域にかかる登山コース等を通過する場合は、希少動物に影響を与えないよう静粛かつ速やかに通過する。
◎人も犬も野生動物と接触しないよう最大限の注意を払う。
◎野生動物に悪影響を与える以下のような騒音を可能なかぎり発しない。
●大声での談笑
●携帯ラジオのつけっぱなし。
●不要な熊よけの鈴、ホイッスル等の使用
●犬の無駄吠え
◎人間の食物はいっさい山中に残さない。
◎定期的な予防接種等、適切な健康管理を受けない犬は山岳地域に連れ込まない。
5、山岳環境と観光施設等について
◎行政機関は、管轄内の山岳地域で新たな観光施設の建設を許認可する場合は、関係者による環境アセスメントを実施する方向で努力する。
◎観光業者・地域管理者・行政機関等は、ロープウェイ・山岳自動車道路・レストハウス等観光施設の設置された地域で自然保護を目的に登山者の行動を規制する場合、その根拠を明確に開示して登山者の理解と協力を得るよう可能なかぎりの努力を行なう。
◎観光業者・地域管理者・行政機関等は、登山者・観光客のオーバーユースによる山岳地域の荒廃を防止するため、当該地域の入山制限・山小屋の予約制等の措置を積極的に推進する。
■自然環境保護に関するO-DOGの行動
山岳地域の自然環境保護に関する上記の認識・提言に基づき、O-DOGは以下の活動を推進します。
1、 アウトドア活動を行なう愛犬家のルール遵守・マナーの向上を最重要課題として推進します。
2、 犬の同伴制限に関する実態調査を全国規模で実施します。
3、 上記実態調査に基づき、アウトドアフィールドにおける犬の同伴に関する下記の情報をひろく愛犬家に提供します。
◎同伴制限に関するエリア情報
◎犬連れによるトラブルの発生事例と、再発防止のための注意喚起
◎犬の同伴による環境負荷が問題となっている具体的事例と、そのエリア利用についての注意喚起
4、 さらに上記調査に基づき、自然環境の保護保全のため、今後日本国内のアウトドアフィールドにおいて犬の同伴を自粛すべき自然環境、立地等についての基準(ガイドライン)を作成します。
5、 山岳地域管理者、山岳団体、自然保護団体等との積極的な意見交換や交流を図り、相互理解を進めるとともに、こうした機関・団体と協力して山岳地域の自然環境の保護保全のための行動を推進します。
以上
投稿者 O-DOG_Staff : 2006年01月10日 17:48